リネン

19世紀、Pur fil(ピュールフィル)と呼ばれるリネンのファブリックから作られる紙が最上級とされていました。独特の柔らかな風合いをもち、ペンの運びも滑らかで、美しい線を描くことができる紙でした。リネンは、亜麻(フラックス)の繊維から作られます。ノルマンディ地方は麻栽培の盛んな地域で、フランスは麻の生産量が世界一です。私たちは、麻の生産量に影響されることなく、一定のクオリティを保ちながらティビエルジュ パリのライティング・ペーパーを作るために、生産地の異なる麻の繊維を組み合わせています。「麻は、環境保護にすぐれた生育の早い植物で、種子は遺伝子組み換えが施されていません。麻は、殺虫剤をほとんど必要とせず、灌漑も必要ありません。また枯葉剤も不要で、大気中の二酸化炭素を大量に吸収します。麻の栽培は太古の昔から行われ、その技術が今日まで伝えられてきました。伝統を重んじつつも、革新を続ける結婚式などといった、伝統的なしきたりにも長く用いられてきました。温暖で雨の多い地域で栽培される麻は、多くの天然繊維や製紙用パルプと違い、灌漑をいっさい必要とせず、雨水だけで成長します。また窒素をほとんど必要とせず、土壌の栄養だけで十分に育ちます。自然な状態を保つために、肥料や農薬もほとんど必要としません。麻栽培はこのように、河川や自由地下水の保護にも貢献しています。」*** 

***「ヨーロッパの麻」(Le lin Européen, CELC Masters of Linen)から引用。

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